古代ローマの遺跡、ポン・デュ・ガール水道橋を見に行く

IMG_0634.JPG[ ポン・デュ・ガール ]古代ローマに興味がある。塩野七生さんの著作の影響である。大学の生協書籍部で平積みされていた『ローマ人の物語1』を見てから何年たったのだろか、というくらい長いファン暦のぼくだが、実際遺跡に足を運ぶようになったのは社会人になってからで、それもここ数年の話。職場に恵まれたため、一週間程度の休みは世間のカレンダーとは関係なくとれるので、フィレンツェもローマもヴェネツィアもそれぞれの場所のよい気候の頃に訪ねることができた。

 都市観光の次は大型遺跡がいい。『ローマ人の物語』でいえば十巻の世界。ローマ街道はローマのアッピア街道を数キロ歩いたので、次は水道橋がいい。もちろん、ローマのアルケオブス(バス)にのってクラウディオ水道橋も見たことがあるが、長さよりも大きさのデカイものを見たい。となれば、何より先に南仏のポン・デュ・ガールがいいだろう。地図ではパリからTGVで一発でアルルに行けるし、そこから車で一時間程度のようだ。ならばアルルに宿をとり、ゆっくりとポン・デュ・ガールを見てみよう。

 そんなラフな計画とその結果について、不完全ながら備忘録としてこのページにまとめておくことにする。

アルケオブスLinkIcon ローマ近郊の遺跡を順繰り巡るバス。途中乗車・下車が可能。

場所 ポン・デュ・ガール水道橋遺跡

  • 南フランス ニーム近郊
  • 水道橋を見るだけならばニームに滞在する必要はない
  • 近くに、アルル、アヴィニオン、マルセイユがある
  • せっかくだから数日滞在するほうがいい

  > 観光もかねて、アルルに宿をとることにした

  • とりあえずパリまで行き、TGVでアルルへ行く
  • アルルからバス・電車・レンタカーでニームに行く
  • アルルでは四泊する(移動、アルル、ニーム、予備)

  > 宿は日本からインターネットで予約する
  > TGVは日本からインターネットで予約する
  > レンタカーも日本からインターネットで予約する

移動 TGVに乗ってパリからアルルへ

IMG_0238.JPG[ パリ・リヨン駅 ] 海外で電車に乗るには少し抵抗があった。乗り遅れたらどうなるのか、電車が途中で止まっただろうなるのか、駅までどうやって行くのか、駅から宿までどうやっていくのか、荷物が盗まれたらどうするか。不安の材料は尽きなかったのだけど、それだといつまでたっても電車にのれないと思い、イタリアで何度か乗ってみた。改札のシステムに少しまごついたが、その他は大した問題もなく、少し慣れたと思えるようになった。そこで、今回はパリからアルルまで電車で移動することにした。飛行機の移動も可能だけど、それだと乗り継ぎが大変(時間的にも、体力的にも)。TGVを使えば数時間でフランスを縦断できるようだし、なによりちょっと冒険があって楽しいし。

 乗り方で注意しなければならないことは二点。チケットを受け取るための発券装置が駅にあるので事前にそこで受け取る(機械なので簡単な英語が読めればOK)ことと、発車前にチケットに日付と時間を入れる(駅のいろんなところにあるので、人の行動を見ていればどの機械は想像はつく)こと。それとターミナル駅では電車とホームの関係が固定していないので、案内板を見て何番ホームに目的の列車が入ってくるか確認する。なかなか来ないとドキドキして面白い。

 数日前に予約することになるが、その場合は1等車のチケットを購入したほうがよい。バカみたいに高いことはない。2,3千円程度の違いでしかないが、車両内はゆったりしているし荷物置き場も近いところにある。電車の中でまで緊張するのは損である。新幹線の普通車とグリーンとよりもはっきりとした差があるので、ちょっと贅沢な気分にもなれる。

やったこと

  • TGVの切符を旅行前にインターネットで購入
  • パリの宿からTGVの駅までの経路を確認(スーツケースをもって移動できるか)
  • アルルの駅からアルルの宿までの経路を確認

IMG_1035.JPG[ TGV ファーストクラスの車窓 ] TGVの切符はインターネットで購入。LinkIcontgv-europe.comというサイトで問題なく購入できた。ツ使い勝手は悪くない。決済はクレジットカードを使えばいい。チケットの受け取りは決済に使ったクレジットカードを現地の駅の発券機に挿入すればいい。何にかあったときのために購入したときの情報をプリントアウトしておいたが、とくに使う事はなかった。

 パリでは「リヨン駅」からTGVがでていた。地下鉄からアクセスできる。ただし、朝夕はラッシュになるのでスーツケースは持ち運びがきついし電車に乗れないことも想像できるので、電車の時間には注意したほうがいい。

 パリ・リヨン駅からアルル駅へ直接繋がっているTGVは本数が少ない。ほとんどはアルルの一つ前のアヴィニヨン駅で普通電車に乗り換えになる。寝過ごすことがなければ乗り換えは同じホームでまっていればいいだけだが、よくわけならない電車が入ってくることもあるし、コンパートメントの車両だと不安になるから、できるだけアルルまで乗り入れているTGVのほうがいいだろう。

 ぼくはそうしたのだが、ところが運悪くストライキの時期だったらしく、パリ発の時間は定刻通りだったにもかかわらず電車はアヴィニヨンで止まってしまった。発車時になんのアナウンスもなかったのだが、なんでもアヴィニヨンで全員降りて、アルルまでは各駅電車で言ってくれということらしい。ぼくはフランスがわからないけれど、たまたま車掌に「アルルは次か?」聞いたところ、アヴィニヨンで降りて乗り換えてくれと言われたのでそのことを知ったのだ。乗り換えのそ理由までは教えてくれなかった(わからなかっただけかもしれないが)。

IMG_0909.jpg 最初車掌の指示の意図がわからなく、近くの席に座っていた老夫婦(おそらくアメリカ人)に思い切って聞いてみた。つたない英語で「車掌に次で全員乗り換えてくれと言われたんだが」と話を切りだし行き先を尋ねたところ、彼らも目的地はアルルだということで以後彼らと行動を共にした。それが吉とでた。というのは、乗り換える電車はしばらく来なかったし、やっと来たと思っても行き先がアルルからマルセイユに変更になるしと、フランス語がわかる彼らがいなければとてもアルルまで着けなかったと思う。ホント、助かった。

 こんな自体は想定外である。何度か旅先で困った事になり、さぁどうしようかと弱ったことは何度かあるが、なんとかなることが多かった。というか、なんともならなかったらぼくはここにいないはずだが。場慣れというかトラブル経験というか、何事も訓練だけど、今回の試練はぼくのレベルを判断してから降りかかってきてくれたらしい。

フランスは農業国だったことを思い出した

 TGVの2階席からみた風景は、フランスが農業国であることをよく教えてくれた。フランスを縦断しているが、その間見えるものは田園である。平らな土地はほとんどなく、緩やかな地面がどこまでもつづいていく。平地がないけれど山もない。時期的に小麦は刈り取った後なのだろうか。鮮やかな緑や黄色、赤々とした土、そして河。日本で言えば北海道中部の景色である。フランスのほとんどはこういう土地なんだとよくわかった。

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宿 アルルで

IMG_0752.JPG[ 土産物屋のショーウインドウ ]アルルといえばゴッホ。大学時代にフランス語を勉強したときのテキストにあったゴッホの物語を思い出す。確か浮世絵の世界にあるような「光」を求めて(勘違いなんだけどね)南仏に渡り、そこでゴーギャンと共同生活をしながら絵を描く生活をはじめたが、情緒不安定なうえにゴーギャンとうまくやっていけなくなり(まぁ、芸術家は身勝手なもんでしょけどね)、結局自分の耳をそぎ落としたことをきっかけに精神病院に入院し、最後に自殺してしまったというストーリである。天才の悲劇性ということから「いい話」に分類され、世界的に尊敬と同情の思いで理解されている画家である。

 当然、ゴッホが好きな人が大勢やってくるためアルルは観光地となっている。ゴッホだけだと盛り上がりに欠けるかもしれないが、この街には結構な古代ローマ遺跡も残っており、街もこじんまりしているので緊張感ゼロで歩き回れるよいところである。

 街は一時間もあれば見て回れる小さなもので、見るだけでよいならばすぐにやる事がなくなってしまう。一方、時間を過ごすことを目的とするならば、古代ローマ遺跡の楕円の闘技場(アレーナ)を初め、いくつかの遺跡でゆっくりと時間を過ごし、よさげなレストランで食事を楽しみ、カフェでぼんやりするのがお勧めで、なんかいい気分になって宿へ戻ることができる。小さい街って、時間を過ごすにはよいとあらためて感じた。

シンプルな生活ってこんな感じかな

IMG_0405.JPG アルルでの宿は街の中心にある広場に面した「LinkIconホテル・デュ・フォーラム」にした。海外での宿を予約するときに利用するインターネットのオンラインホテル予約サイトで評価が良かったことと、ゴッホの絵で有名なカフェに隣接していることから決めてみた。

オンラインホテル予約 LinkIconbooking.com 利用者評価で星が8個くらいあり、評価数が10以上あれば失敗することはないだろう。出張や旅行ではいつも使っている。

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