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今日の授業は良かった

前回、前々回の授業はまったく準備をしていなかったが、今日のはちゃんと内容が構成されていた。

 朝カルで茂木健一郎の講義を受講している。今日で3回目の講義。タイトルが脳と音楽なのだが、脳と音楽について語らない珍しいものであった。それが前回まで。講義が始まるといかに自分が忙しいかを力説する。それはそうだろう。今や時の人なんだから。だからというわけなのだろうが、講義が講義として成立していない。あまりにも無内容。何かを伝えるという意志があったとは思えない酷いしろものであった。有名になると、1回4000円近い講義であってもこんなことで許されるのかと驚いた。とにかく、ゴミみたい授業だった。

 ところが3回目の講義は感銘した。講義の最初の枕が講義全体の伏線になっていて、最後に予想しなかったところに着地するということをやってくれた。しかも、話全体を「音楽と脳」ということでまとめている。素晴らしい。ちゃんと準備すれば凄い講義ができるんじゃないか。ぼくは彼の才能を侮っていたが、それは一気に吹き飛んでしまった。脱帽である。やはり、時の人になるだけの能力はある。

 3回目ということで、今回は部屋の真ん中あたりの席をとった。いつもはなるべく前に行くのだが、今日は部屋の雰囲気も見ることにした。爺さんや婆さんも一人二人見かけるが、受講生の大半はOLか何かではないだろうか。それも、ちょっとウザイタイプの人である。頭がよく綺麗な人、というのではない。頭がいいけど、器量はもうひとつであり、それが災いして普通の男性と付き合わないというタイプの人。茂木健一郎のつまらないギャクやパフォーマンスにも満面の笑みを浮かべて笑っている。ぼくはお笑いが好きでよく見る方だから、そういうものにはうるさいのだが、茂木健一郎のパフォーマンスは彼を好きな人しか笑わないだろうという代物である。だからだろうか、これまでの2回の授業がろくでもないものだったのに、みなさん満足していたのは。

 最初と終わりが綺麗に繋がり、全体で主題を包み込むような講義は感銘を受ける。お金を出しても聴きたいと思う。そして、茂木健一郎はそれが出来る。では、次も受講するかといあれるとNOである。余りにも歩留まりが悪い。忙しいから仕方ないと受講者に言われても、こっちはお金も時間も費やしているのである。ぼくはこういう無責任な人から継続して何かを教われるとは思えないのだ。これが大学の授業であればお勧めだが、一コマ一コマを大切にするような状況ではお勧めできない。だから、もうこの講義はとらない。良い講義に巡り合えれば、それは幸せだったということだろう。

 3回講義を聴いてみての感想。この人の人気は続くのだろうか。それはわからない。以前はクオリアを追いかけている姿がかっこよく見えたが、今はタレントのようなものである。サイエンス、サイエンスというのだが、自分の話のおかしいところを素人のぼくが暗に指摘するだけも不機嫌になるような態度では、とてもサイエンスで成功するとは思えない。単純に間違いを指摘されたらどこがおかしいのかを考えるだけの興味を対象に持っている。人よりも対象に対して真摯になれる(つまり反論は反論で一端うけとり、それを吟味する)という態度がない人にサイエンスで成功することは無理だろう。まぁ、ぼくがいうことではないが。だから、どこまでタレントとして生きていけるのかが問題で、研究活動は只の先生といったところで止まるだろう。もちろん、地頭の良さは認めるが、はたしてそれでどこまでいけるのか、今後も観察していきたい。