HOME > 2008 > 06 Sep

近所の相撲部屋が騒がしい

北の海も貴闘力も、立ち振る舞いがもうひとつ

 地下鉄の駅から自宅へ向かう道。夜十時。いつもは暗い、そして寂しい雰囲気のなかを月をみながら歩く。途中の公園にある時計の文字盤がやけに明るく光っている。
 歩いて5分もない道だけど、両側には大鵬の部屋と北の海の部屋がある。朝は稽古あがりの相撲取りが道路を徘徊し、公園でタイヤを引っ張っていたりする。そういう街に住んでいる。

 火曜日だったか水曜日だったか、いつも通りに夜の家路を歩いていたらなんだか雰囲気がちがう。道の先に人だかりがしている。パトランプが何台も回っている。ハイヤーが何台も停車している。おまけに、衛星中継車がこんなところに3台もいた。よく見ると警察が立ち入り禁止のテープを道に張っている。
 一体何が起きたのだろうか? 立てこもりか? 殺人? うちの近所でか? 嫁さんは巻き込まれていないだろうな。
 などと不安に思いながら人だかりに近づくと、なんだ相撲部屋の前に記者たちが群がっているのが見えた。
 あ、あの麻薬の事件か。何か進展があったのかもしれない。それならば仕方ない。回り道して帰ろう。

 その日は夜もうるさかった。うちの前の道にも衛星中継車がアンテナを延ばして止まっている。あれ、電気を使うからだろうけどうるさいんだよな。いつもと違った騒音は気になった。しかし、事件がないと人が来ない相撲部屋というのも悲しいものだと思いながら寝てしまった。

 翌朝のTVでは深夜中継の模様を放送していた。記者も大変だな。最近は夕立がないからいいけど。1週間ちがっていたら、ひどい目にあっていただろう。それにしても、どうでもいい映像を撮るためにムダなことをやっているものだ。
 それからその日も、翌日も通勤の往復で部屋の前を歩いていたが、少なくなったとはいえマスコミも警察もいた。

 この騒ぎの主役たちはどうしたかといえば、やっていないと言い、親方は検査したらいいと言っている。そして、簡易検査と精密検査とでクロになっても検査結果を信用しないなどといっている。貴闘力は弁護士まで読んで会見している。彼らは無実を主張しているのだろう。
 しかし、結果がクロなら検査を信用しないというのであれば、結果が白でも検査は信用しないということになる。彼らはクロ判定された力士をかばうことで、白になった人も実は白ではない、と言っている。なぜなら、検査が信用できないと言っているのだから。

 もっと不思議なのは、検査は一応その筋では信頼の置ける機関で行ったというのにそれを否定していることだ。おれはやっていない。そんな検査信用できるか、ですむならばあらゆるドーピング検査は意味がない。オリンピックだって、世界陸上だって、検査の確からしさの信用の上でやっている。

 身の潔白を主張する力士と科学分析結果とどちらをとるかということだ。べつに、どちらをとってもいいとは思う。科学的なことは、ある程度信じて良いだろうとぼくは思う。しかし、力士は違う世界で生きているのだといえば、現状の日本の犯罪にはならないらしいので、それでいい。ただし、それで相撲はドーピング有りということになる。相撲に税金が投入されているわけでもないから、その分野がどうなろうと彼らの問題である。噂も3ヶ月もあれば消えるかもしれない。

 近所の出来事を見て思ったのは、親方の代表っといっても、その辺のオッサンと同じ程度の倫理観で動いているのだなということだ。相撲は武道ではない。ちょっと禁欲的で精神性が高い人を厳しい修業で涵養するのかと思っていたが、なんてことはない「本人がやっていないと言っているのだから」で済む人たちなのだ。なーんだ。実にくだらない集団だったということが、ここでバレてしまった感がある。

 近所に相撲部屋があるなんてちょっと面白いと思っていたが、ドーピング結果が信用できん、ですむ人たちの練習場だったのね。今後はこの近所を説明するときに相撲部屋の説明はしないでおこう。

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北の海部屋の前

人が増えたり減ったり、いろいろ忙しい。ヒマなときはケータイのワンセグでニュースを見ている人が多い。ほんと、大変だよね。お茶の間の人は、たんなるやじ馬なのに。