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vietatofumare.grazie のblog

どうしてなんだろうか。隅田川を眺めながら清洲橋で考えた。

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教科書作りって、どうやるのだろうか

先生が教科書を書くらしいので、ちょっとくびをつっこむ

 ぼくが書くわけではないし、ぼくが意見を言うわけでもないけれど、教科書をつくってみようという企画にくびを突っ込んでみた。まだ、ぜんぜん現実化するような話ではないのだけど、それでも出版社の人の話を聞く機会があった。できればどんな風に出版界の人が動くのだろうかを横から眺めていこうと思う。うまくいけば、だけど。立ち消えになる可能性も大いにある。

 ここ数年かかってチームで作成し打ち上げ運用している小型科学衛星の経験を何とか本にまとめられないかという話が以前からあった。専門的なディテールは論文にしているし、あちこちの講演会で発表しているし、請われればデータを開示している。チームの人はそれぞれ専門があり、それぞれ担当しているところがあり、それぞれ対応している。普通の衛星は、なんだかんだいってもNECなり三菱電気なりの大メーカーが作っているので、詳細までは公開しない。ところが、この小型衛星の場合は大メーカーがからんでいないし、チームで自作したものが結構あるので詳細を公開しやすいという特質を持っている。だから、いっそ全部公開できないだろうかとぼくは思っていた。もちろん、自分の部分はWikipediaに投げる予定ではある。

 プロジェクトリーダーである先生が教科書作りにちょっと興味をもったようで、出版社に小型衛星の経験を本にできないか相談した。出版社も無視するのもなんだと思ったのか、比較的若い編集の方が研究室まで来てくれ、あれこれ話するという。そのミーティングにぼくも参加した。編集者の友達はいないので、どんな人が編集をやっているのだろうかと興味をもったのだ。一回目のミーティングで話合われたことは、少し以外だった。

 編集の人は「本の内容」に興味を持ったのだろうと思ったのだけど、それよりも「どうしてそれが売れるのか」とか「売れるという説得力はどう説明できるのか」とか「最悪、先生のお力でメーカーの方などが100冊くらい購入してくれるという約束を取りつけなれないか」とかいうこと言っていた。なるほど。少し意外な気がするが、しかし全うなことだろうと思う。著者が本を出すときには時間をつぎ込むが、かといってお金を払うことはない。売れれば印税が入るが、うれなければ入ってこないだけだ。一方、出版社は出版に必要なお金をあらかじめ準備し、本をつくる。売れなければ赤字どころか結構な損失だ。売れれば儲けがあるのだろうが、「バカの壁」とか「ホームレス中学生」のように売れないと「儲かった」ということにはならない。ビジネスでやっているのだから、損の話やとんとんの話に乗ってくることはないのだろう。

 ちょっと不思議に思ったこともある。いろいろ編集の人がマーケッティング的に要求することが、ある意味「甘い」のだ。いや、相手は手加減してくれているのだろうけど。ぼくは10年くらい前にずいぶんとMBAっぽいことを勉強した。その中でもマーケティングは好きだった。机上の理論と現実は違うのだろうと思いながらも、コトラーなどはちゃんと読んだけどね。といっても、自宅学習するだけだから意味ないと言われそうだが、素人がマスコミや宣伝マンに騙されない程度のマーケティングの素養は身に付けたと思っている。(大前研一のBBT757はかなり見ていた)。

 ということで、その時の知識を動員すれば、編集の人が要求することは簡単に提出できる。さて、その人とマーケティングのフィールドですこしやり合ってみようかと思っている。その教科書、出版までこぎ着けられないだろうか。